エレクトロニクス(電子機器・電子部品)業界でのAMR活用事例

エレクトロニクス業界では、生産性向上や人手不足への対応に加え、多品種生産や生産計画の変動への対応を目的に、工場内物流や製造工程間の搬送自動化が進んでいます。なかでも注目されているのが、AMR(Autonomous Mobile Robot:自律走行搬送ロボット)です。

半導体、電子部品、基板、電子機器などを扱う製造現場では、部品・材料の供給、工程間の仕掛品搬送、完成品の搬送、検査工程への搬送、空トレイ・台車の回収など、日々多くの搬送作業が発生します。これらの作業を人手に依存していると、作業者の移動負担が増えるだけでなく、搬送待ちによる設備の停止や生産効率の低下、搬送時の製品破損といったリスクも生じます。

AMRは、工場内を自律的に走行し、部品、材料、仕掛品、完成品などを指定された場所まで搬送できるロボットです。従来のAGVのように磁気テープや固定ルートに依存せず、周囲の状況を認識しながら柔軟に走行できるため、製品切り替えや生産量の変動、製造ラインのレイアウト変更にも対応しやすく、多品種・変量生産が求められるエレクトロニクス業界に適しています。

MiRのモバイルロボットはどのように役立つのか

エレクトロニクス業界の製造現場では、自律型移動ロボットをはじめとする自動化技術が大きな役割を果たします。AMRを工場内の搬送工程に組み込むことで、人手不足、生産性向上、多品種・変量生産への対応、安全性確保、搬送品質の安定化といったさまざまな課題に対応しやすくなります。

MiRのモバイルロボットは、特に次のような用途で効果を発揮します。

反復的な搬送作業の自動化

電子部品、材料、仕掛品、完成品、空トレイ、台車など、繰り返し発生する搬送作業をMiRロボットに任せることで、作業者は検査、設備対応、段取り替え、品質管理など、より付加価値の高い業務に集中できます。これにより、生産性向上だけでなく、人による搬送ミスや製品破損のリスク低減にもつながります。

変化に対応できる機動性と柔軟性

MiRのAMRは、機動性と柔軟性に優れており、生産計画、品種、生産量、製造ラインや工場レイアウトの変更にも対応しやすい点が特長です。製品ライフサイクルが短く、多品種・変量生産や頻繁な工程変更が求められるエレクトロニクス業界において、柔軟な搬送体制の構築に貢献します。

MiRロボットがエレクトロニクス業界の製造現場をどのように効率化できるのか、ぜひそのメリットをご確認ください。

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AMRを活用することで、変化の激しい業界のニーズに柔軟かつ迅速に対応し、競争力を高めることができます。

エレクトロニクス業界でのAMR活用事例

電子部品・材料の搬送

半導体、電子部品、基板、電子機器などを扱う製造現場では、電子部品、基板、トレイ、リール、材料、治具など、多種多様な物品が日々搬送されています。これらの搬送を人手で行うと、作業者の歩行距離が長くなり、部品供給や運搬作業に多くの時間を取られてしまいます。

AMRを活用すれば、部品倉庫や保管エリアから製造ライン、組立工程、検査工程への搬送を自動化できます。作業者が台車を押して部品や材料を運んでいた作業をAMRに置き換えることで、移動時間や身体的負担を削減し、作業者は組立、検査、設備対応など、より付加価値の高い業務に集中できます。

電子部品や材料の搬送には、可搬重量250kgのMiR250が適しています。MiR250は、小型・中量物の搬送に使いやすく、通路幅が限られる製造現場や人の往来があるエリアにも導入しやすい機種です。棚や専用ラックを搬送する場合は、MiR Shelf Carrier 250を組み合わせることで、部品棚やラックを自動でピックアップして搬送できます。

製造ラインへの部品・材料供給

エレクトロニクス業界では、多品種・変量生産に対応しながら、製造ラインへ必要な部品や材料をタイミングよく供給することが重要です。部品供給が遅れると、作業効率が低下するだけでなく、設備停止や生産計画の遅延につながる可能性があります。

AMRは、部品倉庫や一時保管エリアから、組立ラインや製造設備の近くまで必要な部品や材料を搬送する用途に活用できます。現場からの呼び出しや定期搬送に応じて供給することで、作業者が部品を取りに行く時間を削減し、安定したライン稼働に貢献します。

この用途では、MiR250MiR Shelf Carrier 250の組み合わせが有効です。必要な部品棚やラックをAMRが自律的に搬送できるため、複数ラインへの供給にも対応しやすくなります。重量のある材料や大型ラックを扱う場合は、MiR600MiR1350の活用も検討できます。

仕掛品・半製品の工程間搬送

エレクトロニクス製品の製造では、実装、組立、検査、加工、洗浄、梱包など、複数の工程をまたいで仕掛品や半製品を搬送する作業が発生します。特に多品種・変量生産や短納期対応が求められる現場では、工程間搬送の遅れが生産効率に影響しやすくなります。

AMRを導入すれば、仕掛品や半製品を次工程へ安定的に搬送できます。あらかじめ設定したタイミングや現場からの呼び出しに応じて搬送できるため、人手による搬送待ちや工程間の滞留を抑制できます。また、搬送履歴を把握しやすくなるため、工程間物流の見直しやボトルネックの把握にも役立ちます。

仕掛品や半製品の搬送には、搬送物の重量や形状に応じてMiR250MiR600MiR1350を使い分けることができます。比較的軽量なトレイやラックにはMiR250、重量のある搬送物や大型台車にはMiR600、MiR1350が適しています。

検査・梱包・出荷工程への搬送

エレクトロニクス業界では、製造した製品やユニットを検査工程、梱包工程、完成品保管エリア、出荷エリアへ搬送する作業が多く発生します。製品の種類が多い現場では、搬送先や搬送タイミングも複雑になりやすく、人手による運搬が負担になりがちです。

AMRを活用することで、製品や仕掛品の検査・梱包・出荷工程への搬送を自動化できます。作業者による台車搬送を減らすことで、移動負担を軽減し、検査や品質確認、出荷準備などの業務に集中しやすくなります。また、決められた搬送先へ安定して搬送できるため、搬送ミスや搬送待ちの削減にもつながります。

搬送物の重量や形状に応じて、MiR250MiR600MiR1350を選定できます。ラックやケース単位の搬送にはMiR250、大型製品や重量物の搬送にはMiR600やMiR1350が適しています。

大型部品・重量物の搬送

エレクトロニクス製品の製造現場では、大型部品、装置部品、治具、ラック、完成品など、重量のある搬送物を扱うケースもあります。こうした搬送を人手やフォークリフトに依存すると、作業負担が大きくなるだけでなく、接触事故や搬送時の破損リスクも高まります。

AMRは、定型的に発生する大型部品や重量物の搬送を自動化する手段として活用できます。すべてのフォークリフト作業を置き換えるのではなく、部品保管エリアから製造ライン、工程間、完成品保管エリアまでのように、決まったルートで繰り返し発生する搬送をAMRに任せることで、安全性と効率性を高められます。

重量物搬送を検討する場合は、MiR600MiR1350が適しています。MiR600は最大600kg、MiR1350は最大1,350kgの搬送に対応できるため、大型ラック、装置部品、重量のある台車などの自動搬送に活用できます。

空トレイ・空台車・資材の回収

エレクトロニクス製品の製造現場では、空トレイ、空リール、空箱、空台車、使用済み資材などの回収作業も日常的に発生します。これらの作業は直接的な付加価値を生みにくい一方で、放置すると作業スペースを圧迫し、生産性や安全性に影響します。

AMRを活用すれば、空トレイや空台車などの回収を定期的に自動化できます。たとえば、製造ラインや検査工程で発生した空台車や空容器を所定の回収場所へ搬送することで、作業者の移動負担を軽減し、製造現場を整理された状態に保ちやすくなります。

空台車や資材の回収には、MiR250MiR Hook 250が有効です。専用ラックや回収台車と組み合わせるほか、MiR Hook 250を活用することで、既存の台車を利用した搬送自動化も検討できます。

工場全体の構内物流自動化

AMRの活用は、単一の搬送作業にとどまりません。複数台のAMRをフリート管理システムで制御することで、工場全体の構内物流を自動化できます。

たとえば、部品倉庫から製造ラインへの供給、工程間の仕掛品搬送、検査・梱包工程への搬送、完成品の出荷エリアへの移動、空台車や空トレイの回収までをAMRでつなぐことで、工場内の物流フロー全体を効率化できます。多品種・変量生産や生産計画の変更が多いエレクトロニクス業界では、搬送ルートや運用を柔軟に変更できるAMRの特長を活かしやすい領域です。

Logistics-automation

構内物流全体を自動化する場合は、用途に応じて複数機種を組み合わせることが有効です。小型・中量物や部品棚の搬送にはMiR250、棚やラックの搬送にはMiR Shelf Carrier 250、台車牽引にはMiR Hook 250、重量物搬送にはMiR600MiR1350を活用することで、現場ごとの搬送課題に対応できます。

また、MiR Fleetを活用すれば、複数台のAMRの任務割り当て、走行管理、充電管理を一元的に行うことができます。これにより、工場全体の搬送業務をより安定的かつ効率的に運用できます。

エレクトロニクス業界における自動化のメリット

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生産性の向上

AMRは長時間の連続稼働が可能で、稼働していない時間には自動で充電できます。24時間稼働が求められる製造現場でも、安定した搬送を支援します。

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省スペース化

小回りの利くAMRは、通路幅が限られた工場内でも柔軟に走行できます。生産ラインや設備配置の変更にも対応しやすく、既存レイアウトを活かした自動化が可能です。

Reduce Costs icon

コスト削減

繰り返し発生する搬送作業をAMRに任せることで、作業者を検査や設備対応など、より付加価値の高い業務へ配置できます。人手による搬送作業を減らし、生産性向上と運用コストの削減につなげられます。

24 hours

搬送待ち・停止時間の削減

AMRは生産状況や搬送需要の変化に柔軟に対応できます。必要な部品や仕掛品を適切なタイミングで搬送することで、搬送待ちによるボトルネックやライン停止の削減に貢献します。

Schneider Electric Poland:MiR500で工場内のパレット搬送を自動化

ポーランド・ブコブノにあるSchneider Electric Industriesの工場では、低電圧機器用スイッチや断路器、関連部品を製造しています。同工場では、屋内物流の効率化と搬送コストの削減、安全性向上を目的にMiR500を導入しました。

従来は、生産ラインから倉庫まで完成品を搬送するために旧式のAGVを使用していましたが、走行ルートを変更する際には運用全体を再構成する必要があり、レイアウト変更への対応が課題となっていました。そこで、柔軟なルート設定、安全性、積載能力、操作性を評価し、MiR500を採用しました。

MiR500は、倉庫から空パレットを生産現場へ搬送した後、完成品を積載したパレットを受け取り、再び倉庫へ搬送します。搬送物は最大約400kgで、3シフト・24時間稼働し、8種類のルートを走行しています。1ルートあたりの平均距離は約140mで、1シフトあたり平均5.5~6kmを走行します。

また、MiR Pallet Liftを搭載することでパレットの受け渡しを自動化しています。生産ラインのレイアウト変更が発生した場合も、従業員自身でルートや任務を変更できるため、外部サポートや追加コストをかけずに柔軟な運用が可能になりました。

MiR500の導入により、使用するパレット数の削減やトラックへの積載効率向上につながり、屋内物流・搬送コストの削減を実現しています。さらに、レーザースキャナーや3Dカメラによって人や障害物を検知しながら走行できるため、人とロボットが共存する製造現場における安全性の向上にも貢献しています。

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