自動車業界でのAMR活用事例

自動車業界では、生産性向上、人手不足への対応、安全性の確保を目的に、工場内物流の自動化が進んでいます。なかでも注目されているのが、AMR(Autonomous Mobile Robot:自律走行搬送ロボット)です。

自動車工場や自動車部品工場では、部品倉庫から組立ラインへの供給、ラインサイドへの部品補充、仕掛品・完成品の搬送、空コンテナや台車の回収など、日々多くの搬送作業が発生します。これらの作業を人手やフォークリフトに依存していると、作業者の移動負担が増えるだけでなく、搬送待ち、供給遅れ、接触事故のリスクも生じます。

AMRは、工場内を自律的に走行し、部品や資材、製品を指定された場所まで搬送できるロボットです。従来のAGVのように磁気テープや固定ルートに依存せず、周囲の状況を認識しながら柔軟に走行できるため、レイアウト変更が多い自動車業界に適しています。

MiRのモバイルロボットはどのように役立つのか

自動車製造の現場では、自律型移動ロボットをはじめとする自動化技術が大きな役割を果たします。自律型ロボットを製造工程に組み込むことで、企業は人手不足、生産性向上、安全性確保、コスト削減といったさまざまな課題に対応しやすくなります。

MiRのモバイルロボットは、特に次のような用途で効果を発揮します。

反復的な搬送作業の自動化

部品や資材の搬送など、繰り返し発生する作業をMiRロボットに任せることで、作業者はより複雑で付加価値の高い業務に集中できます。これにより、生産性の向上だけでなく、運用コストの削減にもつながります。

変化に対応できる機動性と柔軟性

MiRのAMRは、機動性と柔軟性に優れており、生産計画や工場レイアウトの変更にも対応しやすい点が特長です。需要変動が大きく、多品種生産が求められる自動車業界において、柔軟な搬送体制の構築に貢献します。

MiRロボットが自動車業界の現場をどのように変革できるのか、ぜひそのメリットをご確認ください。

自動車業界でのAMR活用事例

部品搬送

自動車工場では、エンジン部品、電装部品、金属部品、樹脂部品、締結部品など、多種多様な部品が日々搬送されています。これらの部品搬送を人手で行うと、作業者の歩行距離が長くなり、搬送作業に多くの時間を取られてしまいます。

AMRを活用すれば、倉庫や部品保管エリアから各工程への部品搬送を自動化できます。たとえば、作業者が台車を押していた作業をAMRに置き換えることで、移動時間や肉体的負担を削減できます。

MiR250 Megatech部品搬送には、可搬重量250kgのMiR250が適しています。MiR250は、小型・中量物の搬送に使いやすく、狭い通路や人の往来がある生産現場でも導入しやすい機種です。棚や専用ラックを搬送する場合は、MiR Shelf Carrier 250を組み合わせることで、部品棚や台車を自動でピックアップして搬送できます。

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自動化された入荷物流と出荷ドック

工場の入荷エリアや出荷ドックでは、トラックから荷下ろしされた部品や資材を、倉庫やスーパーマーケットエリア、生産ラインなどへ迅速かつ安全に搬送することが求められます。フォークリフトや作業者による長距離搬送に依存すると、搬送待ちや交通の混雑が発生しやすく、安全面や作業効率の課題にもつながります。

AMRを活用することで、入荷した部品や資材を保管場所や次工程へ自律的に搬送し、入荷物流から出荷ドックまでの資材フローを自動化できます。入荷した荷物をそのまま必要なエリアへ振り分けるクロスドッキングにも対応できるため、中間搬送や一時保管を減らし、ジャストインタイム(JIT)/ジャストインシーケンス(JIS)に適した安定した物流体制の構築につながります。

重量物やパレット、コンベヤでは扱いにくい大型・不定形の荷物を搬送する用途では、MiR600MiR1350が適しています。フォークリフトによる定常的な搬送をAMRへ置き換えることで、構内交通の安全性向上と搬送業務の省人化を図りながら、入荷から生産工程、出荷までの物流を効率化できます。

完成品・仕掛品の搬送

AMRは、工程間で発生する仕掛品の搬送や、完成品を検査エリア・出荷エリアへ運ぶ作業にも活用できます。

たとえば、組立途中の部品を次工程へ送る、検査前の製品を一時保管エリアへ搬送する、完成品を出荷準備エリアへ運ぶといった作業は、搬送タイミングのばらつきや人手不足の影響を受けやすい工程です。

AMRを導入すれば、あらかじめ設定したタイミングや現場からの呼び出しに応じて、仕掛品や完成品を安定的に搬送できます。搬送履歴も把握しやすくなるため、工程間の滞留や搬送ルートの見直しにも役立ちます。

Stellantis-Caen - MiR - ©Alexandre Moulard (13)完成品・仕掛品の搬送には、搬送物の重量に応じてMiR250MiR600MiR1350を使い分けることができます。比較的軽量な部品や棚搬送にはMiR250、パレットや重量物の搬送にはMiR600、さらに重い搬送物にはMiR1350が適しています。

部品倉庫から組立ラインへの供給

自動車工場では、部品倉庫と組立ラインの間で頻繁に搬送が発生します。倉庫側でピッキングされた部品をラインへ届ける作業は、生産を支える重要な工程ですが、人手に依存すると歩行距離や搬送待ちが増えやすくなります。

AMRを活用することで、倉庫から組立ラインまでの定期搬送や呼び出し搬送を自動化できます。複数台のAMRを活用すれば、複数ラインへの部品供給を効率的に行うことも可能です。

この用途では、MiR250MiR Shelf Carrier 250の組み合わせが有効です。部品棚や専用ラックをそのまま搬送できるため、作業者は倉庫でのピッキングやラインでの組立作業に集中できます。大型部品や重量物を扱う場合は、MiR600MiR1350、またはShelf Lift系のトップモジュールを組み合わせることで、より高い搬送能力を確保できます。

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フォークリフト代替

自動車工場では、パレット搬送や重量物搬送にフォークリフトが多く使われています。しかし、フォークリフトは運転者の確保が必要であり、人との接触リスクや安全管理の負担もあります。

AMRは、定型的なパレット搬送や重量物搬送において、フォークリフトの一部代替手段として活用できます。すべてのフォークリフト作業を置き換えるのではなく、決まったルートで繰り返し発生する搬送作業をAMRに任せることで、安全性と効率性を高められます。

フォークリフト代替を検討する場合は、MiR600MiR1350が適しています。MiR600は最大600kg、MiR1350は最大1,350kgの搬送に対応できるため、パレットや重量物の自動搬送に活用できます。重量物搬送用のトップモジュールを組み合わせることで、現場の搬送対象に合わせた自動化が可能です。

廃棄物処分の自動化

製造現場では、スクラップや梱包材などの廃棄物を定期的に回収・搬出する必要があります。回収が遅れると、作業スペースの圧迫や安全性の低下につながります。

AMRを活用すれば、生産ラインで発生した廃棄物を集積場所まで自動搬送できます。人手やフォークリフトによる回収作業を減らし、作業負担の軽減と安全性の向上につながります。

廃棄物の重量や搬送方法に応じて、MiR250MiR600MiR1350などを活用できます。

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自動車業界におけるAMR導入のメリット

Icon Industries Increase Efficiency

生産性の向上

自動車製造の現場では、部品や資材の搬送に多くの時間と人手がかかります。AMRを導入することで、こうした反復的な搬送作業を自動化でき、作業者は組立、検査、改善活動など、より付加価値の高い業務に集中できます。

Roller

レイアウト変更に対応しやすい

AMRは、磁気テープやガイドレールを必要とせず、自律的にルートを判断して走行できます。そのため、車種変更や工程変更、ラインレイアウトの見直しが発生しやすい自動車業界でも、柔軟に運用しやすい点が特長です。

Lift table

安全性の向上

AMRは、人や障害物を検知しながら走行できるため、作業者と同じ空間でも運用しやすい搬送手段です。フォークリフトや手押し台車による接触リスクを低減し、工場内の安全性向上に貢献します。

工場内物流の見える化

AMRをフリート管理システムや上位システムと連携させることで、搬送指示、稼働状況、搬送履歴などを把握できます。これにより、搬送ルートや作業負荷を見直しやすくなり、工場内物流全体の効率化につながります。

1. 搬送作業を自動化し、生産性を向上できる

自動車製造の現場では、部品や資材、仕掛品、完成品など、日々多くの搬送作業が発生します。これらの作業を人手で行う場合、作業者が倉庫と生産ラインの間を何度も往復したり、台車を押して長距離を移動したりする必要があります。

AMRを導入することで、こうした反復的な搬送作業を自動化できます。作業者は搬送業務から解放され、組立、検査、品質確認、改善活動など、より付加価値の高い業務に集中できるようになります。

また、AMRはあらかじめ設定したスケジュールや現場からの呼び出しに応じて稼働できるため、部品供給の遅れや搬送待ちを減らすことにもつながります。結果として、生産ライン全体の稼働効率向上が期待できます。

2. レイアウト変更や生産変動に対応しやすい

自動車業界では、車種変更、部品仕様の変更、EV化への対応、多品種少量生産などにより、工場レイアウトや搬送ルートが変わることがあります。従来の固定ルート型の搬送設備では、こうした変更のたびに磁気テープの貼り替えやガイドの設置、設備調整が必要になる場合があります。

一方、AMRは周囲の環境を認識しながら自律的に走行するため、固定された走行ルートに依存しにくい点が特長です。搬送先やルートを変更したい場合も、設定を見直すことで対応しやすく、現場の変化に合わせた柔軟な運用が可能です。

特に、複数ラインへの部品供給や、生産量の変動に応じた搬送頻度の調整など、自動車工場で求められる柔軟な物流体制づくりに役立ちます。

3. 安全性の向上につながる

自動車工場では、作業者、フォークリフト、台車、設備が同じ空間で稼働しています。そのため、搬送作業には接触事故やヒヤリハットのリスクが伴います。特にフォークリフトによる搬送は重量物を扱える一方で、運転者の確保や安全管理が課題になりやすい作業です。

AMRは、人や障害物を検知しながら走行し、必要に応じて減速・停止・回避できます。そのため、作業者と同じ空間でも運用しやすく、工場内の安全性向上に貢献します。

また、定型的な搬送作業をAMRに置き換えることで、作業者が重量物を運んだり、長時間台車を押したりする負担も軽減できます。接触リスクの低減だけでなく、作業者の身体的負担を減らせる点も大きなメリットです。

4. 工場内物流の見える化・最適化に役立つ

AMRは、単にモノを運ぶだけでなく、搬送状況をデータとして把握できる点もメリットです。フリート管理システムや上位システムと連携することで、搬送指示、稼働状況、搬送履歴、充電状況などを管理できます。

これにより、どの工程で搬送が滞っているのか、どのルートに負荷が集中しているのか、どの時間帯に搬送需要が高いのかを把握しやすくなります。こうしたデータをもとに、搬送ルートやAMRの台数、作業フローを見直すことで、工場内物流全体の最適化につなげることができます。

さらに、複数台のAMRを活用すれば、倉庫からラインへの部品供給、工程間搬送、完成品搬送、空コンテナの回収などを一体的に管理できます。部分的な自動化にとどまらず、構内物流全体の効率化を進められる点も、AMR導入の大きな価値です。

MiRの導入事例

DENSO:MiR250で倉庫・生産エリア間の搬送を自動化

大手モビリティサプライヤーであるDENSOでは、米国テネシー州アセンズのパワートレイン部品製造工場にMiR250を導入しました。

同工場では、従業員が倉庫と生産現場の間で材料を搬送するために長距離を歩き、台車の移動に多くの時間を費やしていました。そこで、MiR250を活用したパイロットプログラムを開始し、倉庫と生産エリア間の搬送を自動化しました。

その結果、作業者は台車を押す作業から解放され、より付加価値の高い業務に移行できるようになりました。さらに、プロジェクトはラインサイドへの部品直接搬送にも拡張され、ジャストインタイムの部品供給にも活用されています。

DENSOでは、MiR250の走行性能、積載能力、狭い空間での移動能力に加え、REST APIを活用したシステム連携や、フリート管理の使いやすさも評価されています。

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日本電産GPM:MiRHook搭載AMRで倉庫と組立ライン間の搬送を自動化

自動車産業向けのポンプソリューションを手がける日本電産GPMでは、倉庫と組立ラインの間で発生する材料や空コンテナの搬送を自動化するため、MiRHook牽引システムを搭載したMiR100を導入しました。

同社では、社内のマテリアルフローを効率化するため、インフラに大きな構造変更を加えずに導入できる搬送システムを探していました。MiRのAMRは、磁気ストリップやレールを必要とせず、人や障害物を検知しながら自律走行できるため、同社のニーズに合致しました。

MiRHookを搭載したAMRは、カートや棚台車を自動で連結し、保管エリアと組立エリアの間を自律的に移動します。材料を組立ラインへ供給した後、空のカートを倉庫へ戻す運用も行われています。

同社では、AMRの導入により、従業員の歩行距離や搬送負担を削減し、必要な量の材料を必要なタイミングで供給できる体制を構築しました。結果として、在庫の最適化や保管コストの低減にもつながっています。

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