Stera Technologies

Stera Technologiesは、幅広い業界に契約製造サービスを提供しています。フィンランドのトゥルクにあるSteraの工場は24時間年中無休で稼働しており、生産性を高めて競争力を保つため、近年、自動化プロジェクトを実施しています。同社は過去2年間で生産現場での産業ロボットの数を13台から26台に増やしましたが、トラックの運転手が需要増加に追いつけないため、倉庫から生産セルに材料を時間通りに搬送することが困難となっていました。生産休止を避けるため、Steraは倉庫から生産セルに部品を配送し、完成品を倉庫に戻す、MiR500自律型移動ロボットを導入しました。

Steraは機械、電子機器、ワイヤー／ケーブルハーネスのカスタマイズされた契約製造のほか、工具製造のサービスを顧客に提供しています。したがって、同社は注文に応じて生産を行うことから、需要と機会が素早く変化する、ダイナミックな運用環境に適応しなければなりません。このため、Steraは顧客のニーズに応じてワークフローを最適化することを目的とし、頻繁に生産を調整・更新しています。Steraが屋内物流の部分的な自動化を検討し始めたとき、ソリューションが、1年間に何度も変化する環境に適応できるものであるということが重要でした。Stera Turkuの事業ディレクターであるJari Isatolo氏は、次のように述べています。「レイアウトを頻繁に変更していたため、アジャイルな環境を支援できるこのMiRロボットを選択しました。MiRシステムの導入に際して、レイアウトを変更する必要は一切ありませんでした。従来のAGVなど、他のシステムでは変更が必要だったでしょうが、MiRは当社のレイアウトに合わせてくれました」

MiRロボットの適応性も、MiR500の応用において重要です。ロボットはMiR EU Pallet Lift 500と共に使用され、パレットステーションでパレットを自動的にピックアップ、搬送、配送できます。MiRのこのタイプのパレットリフトは、800 x 1200mmのユーロパレットを運ぶことを主な目的としています。しかし、Steraでは幅広いパレットを使用するため、同社はパレットリフトを多少変更し、カスタマイズされたパレットラックを作成しました。今では、ロボットは最大10種類の様々なパレットとケージを移動させることができます。現在、ロボットはユーロパレットx2、1 x 1mのケージ、最大高さ2mのケージを運んでいます。Steraの開発マネージャーであるSanteri Grundstrøm氏は、次のように述べています。「当社は簡単にこうした変更を行えました。MiRシステムはカスタマイズが容易です。様々な種類のパレットを搬送できるロボットには、常にタスクが存在します」

SteraがMiR500を選択した主な理由の1つは、500kgに及ぶその積載量です。しかし、積載量が500kgの重いロボットが人の間を自律移動する場合、導入を成功させるためにはロボットの安全システムが鍵となります。Jari Isatolo氏は、次のように述べています。「当社はもちろん、トラックの運転手や他の従業員と協調できる安全なシステムを求めていたので、モバイルロボット専用の空間を用意する必要はありません」。MiR500は、その卓越した安全性を証明しました。「MiRロボットが障害物に遭遇すると、単に停止するか、それを回避しようとします」と、Santeri Grundstrøm氏は述べています。

モバイルロボットに投資する際、Steraにとってモバイルロボットの安全性は重要でしたが、すぐにロボットのメリットを享受できるよう、セットアップが簡単であることも重要でした。当初、ロボットを容易にマッピングおよびプログラミングすることができ、現在、従業員はロボットを簡単かつ直感的に取り扱えるメリットを実感しています。Santeri Grundstrøm氏は、次のように述べています。「MiRロボットには、非常に使いやすいインターフェースがあります。ロボットのオペレーターが部品を必要とする場合、ボタンを押すだけで、MiRがすべての部品を運んで部品用のラックに配置してくれます」。この使いやすさのおかげでロボットをスムーズに統合でき、1日に少なくとも30の搬送タスクに使用されています。

Steraでは、MiR500が倉庫から生産現場に部品を搬送したり、完成品を生産現場から倉庫に搬送したりしています。MiR500は、カスタマイズされたパレットラック上のパレットやケージをピックアップします。また、ロボットは倉庫のトラックと協調します。ロボットはカスタマイズされたラックから特定の高さでパレットをピックアップし、配送することができます。トラックはより高いパレットラックからパレットをピックアップすることに集中するため、作業が分担され、トラックの運転手はより複雑なタスクに集中できます。この連携は、ワークフローを最適化します。Jari Isatolo氏は次のように述べています。「ロボットはフォークリフトを完全に置き換えたのではなく、フォークリフトの運転手を支援しており、倉庫施設からの往来が多い場合においてロボットが役立っています」。モバイルロボットを導入することで、Steraは生産休止を避けることができます。Isatolo氏は次のように述べています。「生産性が向上しており、人的要因がないため、運用レベルを100%近くに維持できています」。

Steraでは、MiR500はトラックの運転手と同じ数のタスクを日々実行していますが、生産性をさらに高めるため、同社はロボットの使用を拡大することを目指しています。Santeri Grundstrøm氏は次のように述べています。「ロボットは現在、1日に約30の搬送タスクを完了していますが、ロボット用のステーションをいくつか追加で稼働させる必要がまだあり、それによって1日に少なくとも60のタスクを実行するようになります。ロボットは休憩が必要なく、夜間シフトでも使用できるため、高いポテンシャルを持っています」。Steraの工場は、夕方と夜間を通じて24時間年中無休で稼働しています。トラックの運転手は1名のみであることから、モバイルロボットを導入する前は、夜間においてさらに長い休止時間が生まれていました。

企業がSteraのような自動化プロジェクトを開始すると、従業員は、自身の職が危うくなることを心配する可能性があります。しかし、Steraは、MiR500やその他のロボットの導入により、実際には雇用を創出できることを実証しました。Jari Isatolo氏は次のように述べています。「もちろん、従業員は工場での自身の職について心配していましたが、当社ではより多くのタスクを彼らに割り当てることができています。実際、多くのプロセスを自動化した過去3年間で、従業員数を増やすことができました」。

将来の拡張計画

自動化プロジェクトが開始して以来、Steraは毎年売上高を大きく伸ばしており、MiR500の導入は、同社の目標達成に貢献する導入の成功事例となっています。Steraのトゥルクの施設におけるMiR500の導入が大きな成功を収めたため、この導入は他の工場のパイロットプロジェクトとなりました。Isatolo氏は次のように述べています。「現時点で、当社では他の拠点でMiRロボットを使用していません。ここトゥルクでの使用体験が良好なため、他のSteraの工場でもこのシステムを導入することを計画しています」。

Stera Technologiesは、国際的な機械および電子機器の契約製造業者です。Steraはフィンランドとエストニアにある6か所の工場で、800名以上のエキスパートを雇用しています。同社の自社製品には、Steraキャビネット、SteraLux LED照明システム、工場監視用のSteraSmartワイヤレスシステムなどがあります。