Metro Plastics

MiR200ロボットがMetro Plasticsの安全性、品質、競争力を向上

米国インディアナポリスに拠点を置くMetro Plasticsでは、モバイルインダストリアルロボットが提供するMiR200によって、生産現場でのフォークトラックの往来がほぼ無くなり、作業員の安全性が向上し、その身体的負担が改善しています。作業の進行中に完成品を品質保証部門に搬送するプロセスを自動化することで、同社は品質問題を直ちに特定して対処することもできるようになるため、無駄を削減して競争力を高めることができます。

問題とソリューション

Metro Plasticsはインディアナポリスを拠点とする家族経営の企業です。同社は1974年以来、カスタムプラスチック射出成型部品と射出成型工具を製造しています。同社は海外や北米での競争にさらされており、医療費や原材料費の上昇と、熟練労働者の確保・維持という課題に対処しています。より効率的な新しい方法で事業を行うことを常に模索しているMetro Plasticsは、可能な限り自動化を進める必要があります。一般的な作業は約2.4日間しか実行されないため、同社は他のプロセスの自動化を検討する必要があります。材料搬送は、その理想的な対象です。

一度に20もの作業が実行されるため、品質検査員がフロアを巡回して部品を検査し、倉庫に配送するまで、完成品が入った箱が各プレス機に積み上げられていました。繁忙期には、作業員が箱やパレットにつまづく危険があり、フォークリフトの頻繁な往来により安全上のリスクが高まっていました。また、プレス機のオペレーターや品質検査官にとっては、フロアレベルでの箱の検査や移動における身体的負担が、仕事のストレスを増加させていました。

ロボットの導入とプログラミングのプロセスは、実際には驚くほど簡単でした。またその多くは、自分で学べました。ロボットが到着した当初、フロアをマッピングする必要がありましたが、これは実際にロボットを動かすのと同じくらい簡単でした。

Emma Morris

プロジェクトコーディネイター

AGVよりも簡単でコスト効率の高い自律型移動ロボット

社長のKen Hahn氏は、同社の創業者である彼の父親が、会社が以前のビルにあった1990年代から無人搬送車(AGV)について調査していたと説明します。しかし、AGVに必要となる恒久的なインフラの設置にかかるコストとその影響が理由で、彼はその目標に向けて行動することができませんでした。Ken Hahn氏が同社の新しいビルを建てた際、彼はAGVの能力をゼロから構築する機会だととらえ、AGVの調査を続けました。しかし、「コストと、それを実現するためにビルに施さなければならない様々なことが理由で、適切なソリューションを見つけられませんでした」と彼は述べています。MiRの販売代理店であるNeff EngineeringがMiRロボットを紹介したのはその頃です。Hahn氏は次のように説明しています。「コンクリートにワイヤーを入れる必要がありませんでした。また、磁石ピルなどで誘導する必要もありませんでした。自律的であり、基本的に他のソリューションの半額程度のコストでした。そのため、迷わず採用を決定しました」

継続的な材料搬送で製品の品質と作業員の身体的負担を改善

Metro Plasticsは当初、生産現場を巡回するようにMiR200をセットアップし、各プレス機で30秒間停止して、オペレーターが完成品をすぐに箱に積み込めるようにしました。ロボットは続いて倉庫の品質管理部門に移動し、充電ステーションに自動的にドッキングして、生産現場での次の巡回を待ちます。ロボットは月曜日から金曜日まで24時間稼働し、1日6時間のシフトを4回行います。

品質検査官のFalicia Roudebush氏は、次のように説明しています。「それまでは彼女が生産現場ですべての箱を検査できるまで、数時間かかることもありました。しかし今では、箱を持ったMiRロボットが30分ごとに戻ってきてくれるため、箱が完成したらすぐにその場で外観を確認でき、問題があれば即座に解決できます」。Hahn氏は、モバイルロボットの予想しなかったメリットは、製品の品質向上であると述べています。製品を継続的に配送することで、品質検査官はサンプルだけでなく、すべての箱を検査できます。問題が見つかった場合は、部品の製造中に特定して対処できるため、無駄が減ります。また、身体的負担の観点からもメリットがあります。Metro Plasticsは、生産現場で箱の上にかがみこむ際にRoudebush氏が悩まされていた腰痛を解消する、カウンターの高さのトップモジュールを作成しました。

社内ソフトウェアとの統合を含む、迅速かつ簡単なセットアップ

プロジェクトコーディネーターのEmma Morris氏は、MiRロボットをいかに素早く簡単にセットアップできるかに驚かされました。彼女は次のように述べています。「ロボットの導入とプログラミングのプロセスは、実際には驚くほど簡単でした。またその多くは、自分で学べました。ロボットが到着した当初、フロアをマッピングする必要がありましたが、これは実際にロボットを動かすのと同じくらい簡単でした」。フロアをマッピングし、ロボットの最初の任務をプログラミングするプロセスに要したのは、わずか数時間でした。生産現場の変化に合わせてロボットのプログラミングを時折変更する必要があったMorris氏は、「非常に簡単です。実際、3回クリックするだけで完了します」と述べています。

モバイルロボットの到着後間もなくして、Metro Plasticsは、Metro Connectと呼ばれる社内のウェブベースソフトウェアにそれを統合することで、すでにプロセスを更新しています。ロボットが内蔵するWi-Fiインターフェースを使用して、オペレーターは各プレス機に設置されたタブレットでロボットを呼び出し、完成品をピックアップして品質管理部門に直接運ばせることで、ロボットの使用を最適化しています。生産現場の大型モニターには、ロボットの場所と次の予定停止場所が表示されるため、オペレーターはロボットがいつ付近に到着するかを予測できます。

モバイルロボットが安全性を向上させ、搬送コストを削減

MiR200ロボットを使用すると、生産現場での煩雑さと混雑がほぼ解消されます。Hahn氏は、以前はフォークトラックがパレットや箱の周りを移動している間、音楽を聴いたり、スマートフォンを見たりしながらフロアを歩き回る作業員がおり、その安全性を懸念していたと述べています。協調型のMiRロボットは、障害物や作業員を感知して自動的に回避するため、フォークトラックの混雑をほぼ解消しており、より安全でクリーンな生産現場を実現しています。彼は、プロパンガス、メンテナンス、フォークトラックの運転手の人件費も節約できると予想しています。フォークトラックにはリスクと検査がつきもののため、「MiRロボットが製品を運ぶことで、保険料を節約できる可能性があると考えています」と彼は述べています。

将来の計画がすでに進行中

同社はすでにMiRロボットの次の段階を計画しており、これによってオペレーターの介入の必要性が軽減されることが見込まれています。各プレス機に設置されたコンベアベルトにより、オペレーターがいなくても、ロボットがプレス機に引き寄せられ、製品が直接ロボットの上に転がされます。

Hahn氏は次のように述べています。「当社は、将来の一部とならないようなソリューションに投資したいとは思いません。導入を完全に終了する以前から、私のチームはMiRロボットの稼働を開始しており、当社を訪れた一部の顧客はそれを目の当たりにし、驚きの声をあげていました。彼らはロボットが最新のプロセスと技術をすべて用いて、それらを統合して製品を製造できていることが信じられませんでした」