Jasper Group

インディアナ州を拠点とするJasper Seating Company Inc.は、Jasper Groupの企業であり、木製家具やアクセサリーのメーカーとして、テーブルや高級家具から椅子やオフィスデスクに至るまで、高品質の家具製品を数百もの教育機関や企業、飲食店、政府の顧客に提供しています。

Jasper Groupは、100万平方フィートを超える製造空間を有する工場内でのマテリアルハンドリングに自律型移動ロボット(AMR)を使用するための検討にあたり、システムインテグレーターのRobotic Solutions, LLCに支援を求めました。

プロジェクト

原材料を出荷・受入場所から広大なオーリンズ工場内での生産場所へと搬送することは、手作業に頼ることが多いプロセスでした。日々工場全体を何往復もするこの作業は、従業員がゴルフカートを運転して原材料や部品をJSI生産ラインへと搬送することで行われていました。「この作業がどれほど時間のかかるものであったか、想像がつくと思います」と、Jasper Groupのvice president of Operations、Jeff Harris氏は語ります。「140万平方フィートの建物内の一方の端から、反対側にある生産ラインまで部品や原材料を搬送していました。必要なときに資材が届いていないことがよくあったため、テクノロジーを利用して最適化することが理想的でした。マテリアルハンドリングの工程を改善し、工場内の往復に従業員の時間を無駄にしないようにしたかったのです」

Robotic SolutionsのPresident、Rick Braun氏は、事前に自律型移動ロボット(AMR)のデモ機を工場の現場に持ち込み、試験運転を行いました。数十人のJasper Groupの従業員がこのデモンストレーションを見学しました。「非常に注目度が高く、エキサイティングでした」と、Braun氏は述べています。その後、Robotic Solutionsは、マテリアルハンドリングの工程を自動化するためのMRGアプリケーションでJasper Groupに協力しました。プロジェクトが承認されると、Robotic Solutionsは、ハードウェアと統合ソフトウェアを含め、3台のMiRモバイルロボット600ユニットをオーリンズ工場に搬入しました。技術責任者と製品マネージャーがJasperの製造スタッフと数週間を共にし、AMRの操作と保守の方法についてスタッフのトレーニングとスキルアップを行いました。トレーニングを経た後、Jasperの従業員がAMRを制御し、自動化されたルートのスケジューリングを行うようになりました。「Jasper側で行うことはたくさんありました」とBraun氏は言います。「AMRは彼らのニーズを満たす必要があります。A地点からB地点までの距離に基づいて、ガイドラインや概算値を提供します。3台からのスタートで良いと思いますが、彼らは1年後にもう1台AMRを追加する必要があると思うかもしれません」

Jasperのsenior director of Continuous Improvement、Jim Alberts氏とHarris氏は、綿密な事前計画も立てていました。「問題になりそうなことをすべて洗い出そうとしました」とAlberts氏は述べています。Jasperのlead continuous improvement engineerの1人であるAndy Rostron氏は、屋内立ち上げ作業の大半を行い、AMRを追跡するためのダッシュボードを作成し、簡素化しました。現在、これらの自律型移動ロボットは、1日の始まりからシフトの終わりまで、ダウンタイムなくノンストップで稼働しています。これらのロボットは、受入・出荷場所から生産現場まで、1回の連続的なサイクルで最大1,250 lbsを搬送することができ、台車を空にして受入に戻ります。障害物を検出すると停止するか、障害物を避けてルートを変更することができ、工場内での安全性と効率性が向上されます。これらのメリットだけでもリードタイムと予定通りのパフォーマンスを向上させることができます。

従業員の声に耳を傾ける

第一に、特にロボットなど新技術の導入について検討する際、工程の改善には常にメリットとデメリットがあることを認識するようにHarris氏は助言しました。その作業を今担っている人々に会い、なぜ今のようなやり方をしているのか、そして自動化やテクノロジーが彼らの業務をどのように支援しているのか、直接話を聞く必要があります。「早い段階から彼らを巻き込みます。コミュニケーションが鍵となります。それに時間をかけるべきです」

第二に、Harris氏は、「自動化へのプロセスを支援してくれる適格なテクノロジーインテグレーターの利用を検討します。テクノロジーインテグレーターは、つまずきを回避し、購入について助言してくれます。また彼らは、テクノロジーの導入で達成したいと考えていることに対する他の、あるいはより良い、ソリューションを知っているかもしれません」。Jasper Groupの経営幹部は、1つの成功例を目にしました。彼らはマテリアルハンドリング工程にこのテクノロジーがいかに迅速に組み込まれたかに驚いていました。「彼らに見せることができるように、1週間後に撮影を行いました」と、Harris氏は言います。「すると、彼らはここに見に来たのです」。Braun氏も付け加えて、「期待どおり、すべてが円滑に進みました。しかし、Jasper Groupにとってこれが大勝利となったことに、経営幹部までも含めて同意してくれているのは素晴らしいことです。これは、今後数年間に、さらに興味深いテクノロジープロジェクトへの扉を開くことになると思います」と、続けています。

労働者が機械やロボットに取って代わられるのではないかという不安が生まれることもよくありますが、Jasper Groupにそのような恐れがあったとしても、それはつかの間のことでした。常にコミュニケーションが必要だと、Harris氏は助言しています。「こういったことについては十分すぎるほどの説明が必要です。私たちはこの技術プロジェクトについて、そして従業員を施設内でどのように再配置するつもりかについて、できるだけ多くの時間を従業員とともに過ごし、時間をかけて彼らに伝えようとしました。ロボットが取って代わるのは、受入と生産ラインの間を往復して部品を搬送する反復的な作業であるということを従業員が理解した後、自動化に対する従業員の不安は薄れ始めました」

Harris氏はさらに、「今では全員が自信を持っており、プロセスの改善を全員が実感しています」と付け加えています。ロボットは、個性を持ち始めました。そのため、従業員は自律型移動ロボットに名前を付けました。「始めはちょっとした冗談だったのです」と、Harris氏は言います。「しかし、最終的にはロミオとジュリエットと呼ばれるようになりました。とても芝居がかっていますね」

結果

Braun氏によると、このプロジェクトの実施目標は、数週間以内にこのテクノロジーを導入し、オーリンズの製造スタッフに鍵を渡すことでした。「しかしそうはいっても、ただ立ち去るようなことはしません」と、Braun氏は言います。「トラブルシューティングや統合の問題があれば、協力します」。このプロジェクトは大きな成功を収めたとHarris氏は述べています。「以前は3人の従業員が1日8時間働き、マテリアルハンドリングにあたっていましたが、今ではそのすべてがAMRによって補強されています。それらの従業員は工場内の他のエリアや部門に再配置されました」。実際、Harris氏によると、始めは2台のMiRだけを使用していましたが、システムが非常にうまく機能していたため、そのわずか数か月後には3台目を導入する準備が整ったと言います。3台目は上階の布張り生産ラインに導入されることになります。

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