FM Logistic
FM LogisticのMiRモバイルロボット:運用を最適化するイノベーション
FM Logisticは、3つの大陸に拠点を構える国際物流業者です。
同社は、自律型移動ロボット「MiR200」を導入しています。MiR200は、人の介入なしに動作し、共同梱包ラインとチップラー間で使用済みの梱包材を搬送することができます。このため、屋内ロジスティクスを最適化し、従業員を単調な作業から解放して廃棄物処理のコストを削減できます。
MiR200モバイルロボットは、週5~6日、3シフト制で24時間稼働します。一度に300mの距離を移動し、その距離は1日あたり18.5kmに及びます。
課題
FM Logisticの共同梱包業務では、毎年200トンもの使用済み段ボール梱包材が発生しており、これらを搬送して再利用する必要があります。
ポーランド・ムシチョヌフにあるFM Logisticの共同梱包マネージャー、Agnieszka Widawska氏は次のように述べています。「当社は、共同梱包業務全体を通じて、特に従業員が肉体的に負荷のかかる、反復的で付加価値の低い作業を行う領域での自動化を推進しています。しかし当社は、業務全体における主体は従業員であるという、企業のDNAに従うことを念頭に置いています。図式的な思考法なくしては、自動化によって人を置き換えることはできません」
使用済みの梱包材を持ってホールを歩き回るのは非生産的です。2019年に導入された自律型移動ロボットMiR200(従業員からは「Mirek」と呼ばれている)は、人に代わって仕事をこなすため、従業員は経験と手作業の精度が求められる作業に集中することができます。多少風変わりなこの同僚の存在により、従業員は新しい革新的ソリューションやポジティブな変化を受け入れやすくなっています。
MiR200モバイルロボットは、週5~6日、3シフト制で24時間稼働します。
ソリューション
ポーランド・ムシチョヌフにあるFM Logisticの共同梱包部門ディレクター、Arkadiusz Buczek氏は次のように述べています。「ポーランドにおけるMiR200ロボットの導入は、FM Logisticグループによって試験的に行われました。導入の目的は、屋内ロジスティクスプロセスや、共同梱包などの共同生産プロセスのサポートにおいて、このタイプのロボットを使用することによる技術的可能性を検証することでした」Arkadiusz Buczek氏はまた、次のように付け加えています。「このソリューションの大きなメリットは、その導入の容易さです。プログラミング自体は複雑ではなく、アプリケーションは直感的です」
MiR200モバイルロボットは、週5~6日、3シフト制で24時間稼働します。一度に300mの距離を移動し、その距離は1日あたり18.5kmに及びます。1つの任務の所要時間は約10.5分です。
ロボットによる使用済み梱包材を運び出す作業をプログラミングすることは簡単でした。従業員はソフトウェア開発者の指導を受けて、それを行うことができました。インテグレーターであるABZ Automatykaのサポートにより、このアプリケーションはロボットとチップラーの協働という、さらなる高度な目標を実現することができました。今では、作業員がコンテナを自分でピックアップして廃棄する必要がなくなりました。この作業は、ロボット、専用の制御システム、チップラーが行っています。
それほど大規模な物流プラットフォームで1台のモバイルロボットを使用することは、小規模な自動化に思えます。しかし、実際には、面積を一切無駄にできないホール内において既存のインフラを変更する必要がないため、屋内ロジスティクスのさらなる最適化に向けた第一歩となります。
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このソリューションの驚くべきメリットは、建物のインフラに干渉せずに済むという点です。また、もう一つの無視できないメリットは、別の場所に移動でき、安全で簡単に使用できる、モバイルソリューションであるという点です。当社の場合、この技術は生産における期待に応えました。
完全自律型の自動化
MiRロボットは、産業向け最新技術のサプライヤーであり、ポーランドにおける川崎重工、Epson、MiRロボットの正規代理店であるASTORによって提供されました。
MiRモバイルロボットの特徴物流アプリケーションに特化した、様々な機能オプションを備えています。パッケージから取り出してプログラミングすれば、すぐに使用できます。ASTORのMiRロボットマネージャー、Łukasz Mąka氏は次のように述べています。「どこからどこへ行けばよいのかを理解しており、人と障害物を回避し、バッテリーで駆動します。さらに、ドッキングステーションで自律的に充電を行います」
FM Logisticは、物流分野における革新的なソリューションのパイオニアとして認知されています。不必要な作業を排除することによる共同梱包プロセスの最適化は、サービス品質の向上においてもう1つのステップとなります。
ポーランド・ムシチョヌフにおける物流プラットフォームへのモバイルロボットの導入は、知識と技術を移転する準備がすでに整ったパイロットプロジェクトであり、FM Logisticの他のヨーロッパ拠点からも認知されています。
持続可能な開発戦略に基づき、ワルシャワ近郊に位置するムシチョヌフの物流プラットフォームは、製品の共同梱包プロセスで残った、不要な梱包材の搬送効率を高めることを決定しました。
FM Logisticは、3つの大陸と5つの事業エリア(西ヨーロッパ、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、アジア、中南米)に拠点を構える国際物流業者です。同社は現在27,000名以上の従業員、400万m2の倉庫空間を有し、約3,500台の搬送車両で構成されるフリートを管理しています。
同社は中央ヨーロッパ地域に19の物流プラットフォーム、27の積み換え倉庫、5,500名以上の従業員を有してます。FM Logisticは、ポーランドで25年にわたり事業を展開しています。
ポーランド・ムシチョヌフにあるFM Logisticの地域ディレクター、Mariusz Jóźwik氏は次のように述べています。「FM Logisticは、そのポートフォリオに多くの専門家やマネージャーを擁しており、国際的な組織として主に活動しています。現在、当社が持つ大きな強みは、専門家を活用して多くのプロジェクトを実施できるという点です。車輪の改革という原則は、潜在的な顧客に新しいプロジェクトを実行するよう説得するだけでなく、すべての顧客の事業を発展させる上で重要なテーマとなります」
FM Logisticは、生産者と小売チェーン間でインテグレーターとして機能し、保管から共同梱包、共同製造、搬送、配送までのあらゆるプロセスで、統合されたビジョンを実現しています。
特に短期的で生産される商品の開梱、再梱包、再ラベリング、出荷を行う共同梱包により、生産者は製品の販売とプロモーションに注力できます。
FM Logisticでは、毎日約70種類の製品が共同梱包プロセスを経て、20種類の梱包技術が組み合わさって再度梱包されます。